録音レベルは、波形を画面いっぱいにするための設定ではありません。小さすぎると後から音量を上げたときにノイズが目立ち、大きすぎると一瞬の強い音でクリッピングします。最も大きく演奏した瞬間にも余裕があり、同時に必要な音がノイズから十分離れている位置を探します。
フェーダーではなく入力ゲインを調整する
録音前に触るのは、オーディオインターフェイスやマイクプリアンプのゲインです。DAWのフェーダーを下げても、入力段階で起きた歪みは防げません。フェーダーは主に再生時のバランスを変えるもので、録音される信号の強さとは分けて考えます。
入力メーターが動く場所を確認し、トラック、プラグイン、マスターのどのメーターを見ているかも整理します。
本番より少し強く演奏して最大値を見る
歌ならサビの高音、ギターなら強いストローク、ベースならスラップなど、本番で最も大きくなる部分を演奏します。小さなAメロだけで調整すると、後の強い演奏で突然クリップします。
一度だけ鳴らして終えず、姿勢やマイク距離を保ったまま数回試します。演奏者が変わる場合は人ごとに設定を確認します。
ピークへ十分なヘッドルームを残す
デジタル録音のメーターはdBFSで表示され、0dBFSを超える余白はありません。録音時のピークはおおむね-18〜-12dBFS付近を基準にし、勢いのある演奏でも-6dBFSを超えない程度から始めると安全です。これは絶対値ではなく、機材と演奏の変化に対応するための目安です。
残した余裕をヘッドルームと呼びます。24bit録音では、無理に0dBFS近くまで上げなくても十分な精度を確保できます。
小さすぎるときは距離と接続も見直す
ゲインを最大にしても小さい場合は、マイクの向きと距離、マイク/ライン/楽器入力の選択、ファンタム電源、ケーブル、楽器側の音量を確認します。接続が合っていない状態でゲインだけを上げると、ノイズフロアが目立ちます。
音源からマイクを離しすぎている場合は、部屋の反射音を増やす前に安全な範囲で近づけます。
プラグインを外した状態で決める
コンプレッサーやリミッターがメーターを抑えていると、入力でクリップしていても気づきにくくなります。録音前はプラグインをバイパスし、インターフェイスとDAWの入力メーターを確認します。
録音後の音量調整はリージョンゲインやフェーダーで行えますが、入力で潰れた波形は戻せません。
録音したファイルをソロで聞く
波形の大きさだけでなく、歪み、ヒスノイズ、低い振動音、ケーブルノイズをヘッドホンで確認します。伴奏の中で隠れるからと放置すると、コンプレッサーやEQで後から強調されることがあります。
自宅録音のノイズ対策は「自宅録音のノイズを減らす方法」、音が小さい場合の制作全体の確認は「DTMで音が小さい・音割れするときの確認ポイント」も参考にしてください。
