コンプレッサーを使うと音量が整うはずなのに、音が小さく平坦になる、息苦しい、ドラムの勢いが消える、音量が周期的に揺れることがあります。原因はコンプレッサーの種類より、何を何dB抑えるために使っているかが曖昧なことにあります。
まずバイパス時と同じ音量で比べる
処理後が大きいだけで良く聞こえたり、小さくなっただけで元気がないと感じたりします。メイクアップゲインを調整し、バイパス時と聞こえる大きさを近づけて比較します。
音量を揃えても輪郭や抑揚が良くなったかを確認します。
ゲインリダクションを見すぎない
ゲインリダクションが常に大きく動いている場合、素材全体を押さえ込みすぎている可能性があります。ただし数値だけで良し悪しは決まりません。ボーカルの一部を2〜4dB整える場合と、効果としてドラムを強く潰す場合では目的が違います。
スレッショルドを下げすぎない
スレッショルドを低くしすぎると、小さな部分まで常に圧縮され、自然な強弱が減ります。最も大きな場所だけに反応する位置から始め、必要な区間へ少しずつ広げます。
小さい語尾まで持ち上げたい場合は、コンプを強くする前にクリップゲインやオートメーションで差を整えます。
レシオを上げすぎない
レシオが高いほど、スレッショルドを超えた音を強く抑えます。自然な音量整理なら2:1〜4:1程度から試し、リミッターに近い高い比率はピーク制御や明確な効果に使います。
レシオだけでなく、スレッショルドとの組み合わせで圧縮量が決まります。
アタックが速すぎると輪郭が消える
アタックを速くすると、ドラムの打点、ギターのピッキング、子音など音の立ち上がりまで抑えます。音が奥へ引っ込み、勢いがなくなった場合は、少し遅くして最初のアタックを通します。
逆にピークが鋭すぎる場合は、必要な範囲だけ速くします。
リリースが合わないと音量が揺れる
リリースが長すぎると次の音まで圧縮が戻らず、全体が沈みます。短すぎると波形へ細かく追従し、歪みや不自然な揺れが出ることがあります。
メーターが曲のテンポに沿って自然に戻る位置を探し、音量が「吸い込まれる」感じがないか聞きます。
コンプ前の素材を整える
一部だけ極端に大きいボーカルやベースは、先にリージョンゲインで下げます。不要な低域がコンプを強く反応させる場合は、サイドチェインフィルターや前段EQも検討します。
すべてを1台で解決せず、軽い圧縮を2段に分ける方法もあります。
曲の中でオン・オフを判断する
ソロで滑らかでも、伴奏ではアタックが足りないことがあります。小さな音量でも主役が安定し、元の抑揚が残っているか確認します。コンプがなくても成立するなら、無理に使う必要はありません。
基本的なミックスの順序は「プラグインを挿す前にフェーダーとパンでミックスを作る方法」から始めると判断しやすくなります。
