マイナスワン音源とは、完成した曲から自分が演奏するパートを抜いた練習用音源です。ベースを消して自分のベースを重ねる、ドラムを消してバンド全体へ合わせる、といった練習ができます。
原曲の音量へ自分の演奏を足すだけより、自分のタイミング、音量、フレーズの違いを確認しやすくなります。
最初に原曲のBPMと構成を確認する
「BPM・キーを調べる」でBPMの候補を確認し、イントロ、Aメロ、サビなどの位置をメモします。DAWへ読み込んだとき、カウントやループ区間を作りやすくなります。
生演奏でテンポが揺れる曲は、グリッドへ完全に合わせなくても構いません。元の演奏の流れに合わせる練習として使えます。
原曲をステムへ分離する
「ステムスプリッター」で、原曲をボーカル、ドラム、ベース、その他のステムへ分けます。ベース練習ならベース以外、ドラム練習ならドラム以外のファイルを使います。
分離後のファイルはすべて同じ長さと開始位置を保ったまま保存します。先頭の無音を個別に切ると、パート同士のタイミングがずれるため注意します。
DAWで残すステムを同じ位置へ重ねる
新しいDAWプロジェクトを作り、分離した各ステムを別トラックの同じ開始位置へ配置します。これはファイルを順番につなぐ作業ではなく、複数の音を同時に重ねるミックスです。
抜きたいパートだけをミュートし、残りを同時に再生します。各ステムを別々にノーマライズすると元のバランスが変わるため、まずは同じフェーダー位置で原曲に近いか聞きます。
対象パートを完全に消すか少し残すか決める
自分の演奏だけを厳しく確認するなら対象ステムを完全にミュートします。入りやフレーズを覚えている途中なら、対象ステムを小さく残すとガイドになります。
「小さく残した版」と「完全に消した版」を2種類作り、段階的に練習する方法もおすすめです。
カウントと練習区間を用意する
曲がいきなり始まる場合は、DAWのクリックやカウント音を1〜2小節前へ追加します。難しい区間だけを練習する場合は、少し手前からループし、演奏へ入る準備時間を残します。
速い曲は「テンポを変える」で遅い練習版を作り、徐々に原曲の速さへ戻します。遅くしたステムと原速のステムを混ぜず、同じ処理をしたファイル同士で重ねます。
自分の演奏を録音して比較する
マイナスワン音源をヘッドホンで再生し、自分のベースやドラムを別トラックへ録音します。タイミングだけでなく、音量、音の長さ、ダイナミクスが曲へ合っているか確認します。
元のパートを再び有効にし、自分の録音と切り替えると違いを見つけやすくなります。AI分離の欠けやにじみは演奏ミスと混同しないようにします。
練習用として書き出す
残すステム、カウント、必要なループ範囲を確認し、ピークへ余裕を持ってWAVまたはMP3へ書き出します。「song_bass-minus_80percent」のように、抜いたパートとテンポをファイル名へ入れます。
市販曲から作ったステムやマイナスワン音源には元音源の権利が関係します。個人練習の範囲で使い、許可なく公開・配布しないようにしてください。
テンポや練習区間の作り方は「楽器練習用の音源を作る方法」、ステムの分析用途は「参考曲をパートごとに聴く方法」も参考にできます。
