DAWから完成曲を書き出した後、納品先や共有方法に合わせて別の音声形式が必要になることがあります。元になる高音質なマスターを残し、そこからMP3やM4Aなどを用途別に作ると管理しやすくなります。
基本は、DAWからWAVを書き出して保存し、そのWAVから必要な形式へ変換します。圧縮されたファイルを何度も変換すると、音質劣化が積み重なるためです。
WAVは編集・納品用の基準にする
WAVは一般に非圧縮のPCM音声を保存し、DAW、動画編集、マスタリングなどで広く扱えます。完成音源の保管用や、別の形式を作る元データに向いています。
制作・受け渡し用では24bit、一般的な再生用では16bitが使われます。サンプルレートとビット深度は、納品先の指定があればその条件を優先します。
MP3は幅広い環境で共有しやすい
MP3は非可逆圧縮で容量を小さくし、メール、確認用データ、一般的な配布に使いやすい形式です。音質を優先する確認用なら、256〜320kbps程度が選びやすい設定です。
MP3からWAVへ戻しても、圧縮時に失われた情報は復元されません。保存用マスターをMP3だけにしないよう注意します。
M4AはApple製品や動画編集で扱いやすい
M4Aは、AAC音声を格納する用途でよく使われます。小さい容量でも音質を保ちやすく、スマートフォン、Apple製品、動画編集との相性が良い形式です。
共有相手や使用ソフトがM4Aに対応している場合は、MP3より容量と音質のバランスを取りやすいことがあります。
FLACは音質を保ちながら容量を減らす
FLACは可逆圧縮を使い、元の音声を復元できる形で容量を小さくします。完成音源、サンプル、録音素材を保管したいときに便利です。
ただし、再生機器や編集ソフトによって対応状況が異なります。納品相手が形式を指定していない場合は、互換性の高いWAVも用意すると安心です。
AIFFとOGGも用途によって選べる
AIFFはWAVと同じく非圧縮音声を扱いやすく、Macや音楽制作ソフトで使われます。OGG(Opus)は小さい容量でも音質を保ちやすく、Webサイトや配信向けの音声に向いています。
特殊な形式を選ぶ前に、相手のソフトや公開先が対応しているか確認しましょう。
タダオトで音声形式を変換する
「音声形式を変換する」ツールでは、WAV、MP3、M4A、FLAC、AIFF、OGGなどを読み込み、用途に合う形式へ変換できます。最大10曲へ同じ設定を適用し、個別またはZIPで保存できます。
WAV・AIFFでは16bitまたは24bit、圧縮形式ではビットレートや音質を選べます。サンプルレートは元のまま、44.1kHz、48kHzから設定でき、必要に応じてモノラル化もできます。
変換で音質は良くならない
低品質なMP3を24bit WAVやFLACへ変換しても、元の情報量は増えません。形式変換は保存方法や互換性を変える処理であり、失われた音を復元する処理ではありません。
MP3からM4A、M4AからMP3のように非可逆形式を繰り返し変換するより、元のWAVからそれぞれ作り直します。
用途別の基本的な選び方
- 編集・納品・マスター保管:WAV
- 幅広い環境での共有:MP3
- 動画編集・Apple製品:M4A
- 音質を保った省容量保管:FLAC
- MacのDAW間での受け渡し:AIFF
- Webや対応サービスでの軽量配信:OGG(Opus)
WAVとMP3の書き出し設定については、関連記事「WAVとMP3はどう選ぶ?」も参考にしてください。
