参考曲をDAWへ読み込むと、「音が大きい」「低音が強い」という印象を、構成、音量、周波数、ステレオ感へ分けて確認できます。目標は参考曲の数値をそのままコピーすることではなく、自作曲との違いを具体的な調整へ変えることです。
分析には正規に入手した音源を使い、公開・再配布はしないようにします。
参考曲を専用トラックへ読み込む
DAWプロジェクトへ参考曲専用のステレオトラックを作り、曲の先頭へ配置します。参考曲は自作曲のマスター処理を通さず、直接出力へ送るルーティングにすると比較しやすくなります。
誤ってミックスへ含めないよう、トラック名、色、出力先を明確にします。
BPMとキーを確認する
「BPM・キーを調べる」で参考曲のBPMとキー(調)の候補を確認します。DAWのテンポへ設定すると、小節単位で構成を比較できます。
生演奏やテンポチェンジを含む曲はグリッドと完全に一致しないため、数値を固定せず、セクション開始位置へマーカーを置きます。
曲構成とパートの出入りを記録する
イントロ、Aメロ、サビ、ブリッジ、アウトロの開始位置をマーカーへ登録します。各セクションで、ドラム、ベース、コード、メロディ、ボーカル、FXが入る・抜けるタイミングをメモします。
アレンジ(編曲)を分析するときは、音数だけでなく、音域、演奏の細かさ、ダイナミクスの変化も確認します。
音量を合わせてから比較する
大きい音は、それだけで迫力や高音・低音が多いように感じます。参考曲と自作曲の聞こえる音量を近づけてから切り替えます。
LUFSは目安になりますが、短い区間だけでは値が変わります。サビ同士、Aメロ同士のように同じ役割の場所を比べ、小さな音量でも印象を確認します。
周波数は帯域ごとの役割を見る
スペクトラムアナライザーを参考曲のトラックへ挿し、低域、中域、高域の傾向を見ます。一瞬の形ではなく、サビ全体など一定の区間で平均的なバランスを確認します。
参考曲と同じカーブへEQを合わせるのではなく、自作曲で主役が聞こえない原因を探すために使います。
ステレオとモノラルを切り替える
ステレオでは、中央にあるキック、ベース、ボーカルと、左右へ広がる伴奏や残響を聞き分けます。モノラルへ切り替え、音が急に細くなる場所や消える要素がないかも確認します。
横へ広いことだけが良いミックスではありません。中央の安定と左右の余白が、曲のセクションごとにどう変わるかを見ます。
ステム分離でアレンジを深掘りする
「ステムスプリッター」でボーカル、ドラム、ベース、その他へ分けると、聞き取りにくいパートの音域やリズムを確認できます。
AI分離音は元のミックスと音質が異なるため、周波数や音量の基準には使いません。パートの存在、フレーズ、出入りを知る補助として利用します。
観察を自作曲の変更へ置き換える
「参考曲のサビは広い」ではなく、「サビでコーラスと高いパッドが追加され、Aメロより左右が広がる」のように、実際の要素へ言い換えます。
一度に多く直さず、低域、主役の音量、セクションの変化など優先順位を決めます。仕上がりの音圧を比べる入口には「音圧を整える」の解析も使えますが、最終判断は複数の再生環境で行います。
パート分離を使った分析は「参考曲をパートごとに聴く方法」、公開前の確認は「DTMで曲を完成させて公開するまでのチェックリスト」も参考にしてください。
