クロスフェードとは、一方の音を小さくするフェードアウトと、もう一方を大きくするフェードインを重ね、二つの音を滑らかに切り替える処理です。オーディオ編集の継ぎ目に出るクリック音や、不自然な音量の段差を目立ちにくくします。
使う場面
複数テイクをつなぐコンピング、不要部分を切った会話編集、ループ素材の継ぎ目、効果音の連結などで使います。曲同士を長く重ねて切り替えるDJミックスでも、同じ考え方が用いられます。
長さの決め方
クリック除去だけなら数ミリ秒程度でも効果があります。ボーカルのブレスや伸ばした音をつなぐ場合は、波形と耳の両方で確認しながら長くします。長過ぎると二つの音が同時に聞こえ、位相やタイミングのずれが目立ちます。
カーブの選び方
直線、等パワー、S字などのカーブにより、重なり部分の音量感が変わります。中央がへこむ場合は等パワー系を、重なりで音量が膨らむ場合は穏やかなカーブを試し、素材に合う形を選びます。
編集時の注意
ドラムの打点や言葉の子音の上で切り替えると、輪郭が二重になることがあります。可能なら音の減衰部分や無音に近い位置へ境界を移します。同じ音を重ねる場合は、モノラルでも音が細くならないか確認します。
フェードとの違い
通常のフェードは一つの素材の開始または終了を滑らかにします。クロスフェードは二つの素材を同じ時間上で重ねて受け渡す処理で、コンピングやループ編集と密接に関わります。
