ボーカル録音後の基本的な整え方|コンピングからノイズ処理まで

複数のボーカルテイクをコンピングしノイズ処理やEQ、コンプレッサーで整えるDTM画面

ボーカルを録り終えた直後は、すぐにEQやリバーブをかけるより、良いテイクを選び、不要な音を整理し、言葉ごとの音量差を整える方が先です。録音素材そのものを聞きやすくしてから音作りへ進むと、処理を強くしすぎずに済みます。

最初に録音したファイルとDAWプロジェクトを複製し、編集前の状態へ戻せるようにしておきましょう。

複数テイクから良い部分を選ぶ

何度か録音した場合は、1テイクだけに決める必要はありません。Aメロは1回目、サビの高音は3回目というように、良い部分をつないで1本にする作業をコンピングと呼びます。

音程だけで選ばず、言葉の聞き取りやすさ、リズム、感情、前後のフレーズとのつながりも確認します。細かく切り替えすぎると息遣いや声色が不自然になるため、フレーズ単位を基本にすると自然です。

言葉ごとの音量差を先に整える

大きすぎる言葉や小さすぎる語尾は、リージョンクリップ単位のゲインで少しずつ調整します。この段階で音量差を穏やかにすると、後のコンプレッサーが過剰に反応しにくくなります。

息や子音まで同じ大きさにせず、歌として自然な抑揚は残します。波形の見た目だけで揃えず、伴奏と一緒に聞いて判断しましょう。

不要なノイズと無音を整理する

録音の前後にある会話、クリック、椅子の音などは切り、切り口には短いフェードを入れます。テイクをつないだ場所でノイズや空気感が急に変わる場合は、短いクロスフェードでなじませます。

エアコンやPCファンのように一定して続く音には、「声のノイズを減らす」ツールを試せます。処理を強くすると声の高域や息が不自然になるため、ノイズを完全に消すより、伴奏の中で気にならない程度を目指します。

先頭と末尾の長い空白だけをまとめて整えたい場合は、音源の無音部分をカットするツールも利用できます。

タイミングと音程は必要な場所だけ直す

すべての音をグリッドや正確な音程へ揃えると、人が歌った勢いや揺れまで失われます。伴奏から明らかに遅れた子音、コードから外れて聞こえる長い音など、曲の流れを止める場所から直します。

修正後はソロだけでなく、必ず伴奏と一緒に確認します。単体で少し揺れていても、曲の中では自然に聞こえることがあります。

EQ、コンプレッサー、リバーブの順で音作りする

素材が整ったら、EQで不要な低域や目立つ響きを控えめに整理し、コンプレッサーで大きな部分を軽く抑えます。声を太くしようとして低域を増やしすぎると、伴奏のベースやキックと重なるので注意します。

最後にリバーブディレイを加え、曲の空間へなじませます。残響を深くする前に、声が前で聞こえる位置を作ることが大切です。

完成前に小さな音量でも確認する

  • 歌詞が伴奏の中で聞き取れるか
  • テイクの切り替わりが目立たないか
  • 息や語尾を切りすぎていないか
  • ノイズ処理で声が薄くなっていないか
  • リバーブで子音がぼやけていないか

録音前の準備は「DTMでボーカルを録音する前に確認したいこと」、部屋や機材のノイズ対策は「自宅録音のノイズを減らす方法」も参考にしてください。

サイト内検索

楽曲検索
ブログ検索