録音時にモノラルとステレオのどちらを選ぶかは、「高音質なのはどちらか」ではなく、左右の情報を録る必要があるかで決まります。1本のマイクや1本のギターケーブルから来る信号を、ステレオトラックへ録音しても自然な広がりが増えるわけではありません。
モノラルは1つの音の位置を録る
モノラルは1チャンネルの音声です。ボーカル、ナレーション、ベースのDI、ギターアンプを1本のマイクで録る場合など、ひとつの音源の中心を捉える用途に向いています。
ミックス時にパンで左右の位置を自由に決めやすく、ファイル容量もステレオより小さくなります。
ステレオは左右の違いを録る
ステレオは左右2チャンネルの差から広がりや方向を表現します。ステレオ出力のキーボード、2本のマイクで録るピアノやドラム、空間全体を捉える環境音などに使います。
左右へ同じ信号を入れただけの「デュアルモノ」は、見た目がステレオでも広がりの情報を持ちません。
ボーカルやナレーションは基本的にモノラル
1人の声を1本のマイクで録るなら、モノラルトラックを選びます。ステレオ録音にすると片側だけへ音が入り、後で変換が必要になることがあります。広がりは録音後にダブルトラック、リバーブ、ディレイなどで作れます。
複数人を部屋全体で録る場合や、臨場感を残したい収録ではステレオも候補になります。
ギターとベースは接続方法で判断する
ギターやベースをケーブル1本で入力するDI録音はモノラルです。ステレオ出力のマルチエフェクターで、左右に異なるディレイやコーラスを含む音を録る場合は、2入力を使ってステレオで録ります。
左右2本を使う場合は、入力1と2のゲイン、ケーブル、トラックの割り当てを確認します。
ソフト音源は出力の内容を見る
ピアノやシンセのソフト音源は、内部のマイク配置、コーラス、リバーブによってステレオ出力になっていることがあります。一方、サブベースや単音リードはモノラルに近い方がミックスしやすい場合があります。
トラックがステレオだから残すのではなく、左右の情報が曲へ必要かを聞いて判断します。
ステレオ録音は位相とモノ互換を確認する
2本のマイクへ同じ音が異なる時間で届くと、左右をモノへまとめたときに音が細くなることがあります。録音後はステレオだけでなく、モノ再生でも低域や芯が消えないか確認します。
問題の仕組みは位相、具体的な確認は「複数マイクやDI録音で位相がずれる原因と確認方法」で解説します。
迷ったら元の入力数と用途へ戻る
- 1マイク・1ケーブル・中央へ置く音:モノラル
- 2マイク・左右出力・空間の広がり:ステレオ
- 判断できない場合:短く両方録り、モノ再生まで比較する
環境音の収録例は「環境音を録音して曲や効果音へ使うときの注意点」も参考になります。
