雨、波、電車、街のざわめき、部屋の空調、ドアや食器の音など、身の回りの環境音は曲の空気感や効果音素材として使えます。一方で、録りたい音と不要なノイズの境目が曖昧で、風や手の振動、他人の声まで入りやすい録音でもあります。
録音後の処理だけに頼らず、場所、マイクの向き、録音レベルを少し整える方が、自然で使いやすい素材になります。
何を主役に録るか決める
「駅の音」ではなく「ホームへ入る電車」「改札の電子音」「人の流れ」のように、主役を具体的にします。広い空間全体を録るのか、ひとつの物音を近くで録るのかによって、マイクの距離と向きが変わります。
録音前に数十秒聞き、車、空調、鳥、話し声など、後から消しにくい音がないか確認します。
録音できる場所と内容か確認する
私有地、店舗、施設、イベント会場では録音が制限されることがあります。必要なら管理者の許可を取り、通行や営業を妨げないようにします。
他人の会話、個人名、住所、アナウンス、演奏中の音楽などが入った素材を公開すると、プライバシーや著作権の問題につながる可能性があります。自分で録音したファイルでも、含まれる音を自由に公開できるとは限りません。
風と手の振動を録音前に減らす
屋外では弱い風でも低い「ボフッ」という音が入ります。ウインドスクリーンを使い、マイクを風上へ直接向けないようにします。スマートフォンやレコーダーを手で持つ場合は、持ち替え、画面操作、ケーブルが本体へ当たる音にも注意します。
安全な場所なら三脚や安定した台へ置き、録音開始後は数秒待ってから動かします。
音量を上げすぎず長めに録る
突然の大きな音でクリッピングしないよう、ピークへ余裕を残します。小さすぎる録音を後から大きくするとノイズフロアも目立つため、試し録りして主役の音が十分に入る距離を探します。
必要な長さぴったりではなく、前後を含めて長めに録ります。何も起きていない背景だけの区間も30秒ほど残すと、編集時に空間をつないだり、ノイズを判断したりできます。
モノラルとステレオを用途で選ぶ
場所の広がりや左右の移動を生かしたい場合はステレオ、特定の物音を中央へ置き、後でパンを決めたい場合はモノラルが扱いやすいことがあります。
ステレオ録音は臨場感が出ますが、左右のマイクへ別々の不要音が入りやすく、モノラル再生で印象が変わることもあります。曲中でどの位置へ置くかを考えて選びます。
必要な区間を切り出して自然に整える
「音源を好きな範囲で切り出す」ツールで前後に余裕を残して選び、アタックや余韻を切りすぎていないか試聴します。複数素材の無音、一定ノイズ、音量を穏やかに揃える場合は、音声素材をまとめて整えるツールも使えます。
背景音を長く流したい場合は、録音の中から変化の少ない部分を探し、シームレスループを作るツールでつなぎ目を確認します。鳥の声や車など目立つ出来事がループすると反復が分かりやすいため、素材選びが重要です。
元録音と編集後ファイルを一緒に管理する
ファイル名には日付、場所、内容、録音方式を入れます。公開や販売を考える場合は、録音場所、許可の有無、含まれる第三者の音もメモしておくと、後の権利確認に役立ちます。
長い録音から素材を作る手順は「長い録音や動画から使いたい音だけ切り出す方法」、短い素材の書き出し確認は「効果音や短い音素材を書き出した後の整え方」も参考にしてください。
