ドラムの耳コピでは、キック、スネア、ハイハット、タム、シンバルが同時に鳴るため、最初からすべてを聞こうとすると混乱します。低音、アクセント、細かな刻みという役割に分け、ひとつずつ重ねると整理しやすくなります。
原曲と完全に同じ音色を探す前に、リズムの骨格を取ることを優先しましょう。
曲のBPMと拍の位置を確認する
最初に「BPM・キーを調べる」でBPMの候補を確認します。70と140のように半分・2倍で表示される場合は、ハイハットやスネアへ合わせて数えやすい方を選びます。
DAWへ原曲を読み込み、1拍目と小節の頭へ目印を置きます。テンポが揺れる生演奏では、曲全体を無理に固定せず、耳コピする区間ごとに拍を数えます。
短い区間へ絞って繰り返す
「音源を好きな範囲で切り出す」で1〜4小節程度を用意し、ループ再生します。開始位置は最初のキックぴったりではなく、少し前から聞こえるようにすると入りを予測できます。
Aメロ、サビ、フィルではパターンが変わるため、曲全体を一度に取らず、代表的なパターンから始めます。
キックでリズムの土台を取る
最初は低音へ集中し、キックが鳴る位置だけをDAWへ入力します。ベースと重なって聞こえにくい場合は、低域のアタックやスピーカーの振動だけで判断せず、後でほかの方法と照合します。
すべてのキックを同じ強さにせず、大きな音と軽い音の差もメモします。ただし最初の段階ではベロシティを詰めすぎず、位置を優先します。
スネアで拍のアクセントを確認する
4拍子では2拍目と4拍目にスネアが来る曲が多いため、まず大きなバックビートを探します。その後、弱いゴーストノート、クラップとの重なり、少し前後へずれた位置を確認します。
スネアの余韻や部屋鳴りを別の打音と間違えないよう、音の立ち上がりであるトランジェントを聞きます。
ハイハットとシンバルで細かな刻みを取る
ハイハットが8分音符なのか16分音符なのかを確認し、オープンとクローズ、アクセントの位置を分けます。高域だけを追うとギターやノイズをハイハットと誤認することがあるため、キックとスネアを鳴らしながら全体のグルーヴを確認します。
クラッシュはセクションの頭、ライドはサビや展開の変化に使われることが多いため、曲の構成と一緒に記録します。
フィルは最後に細かく分ける
タム回しやスネア連打は、まず音数と大まかな高低だけを取ります。「低い音へ下がる」「同じ音を連打する」という輪郭を確認してから、タムの種類や左右の手順を考えます。
速すぎる場合は「テンポを変える」で音程を保ったまま70〜90%程度へ遅くします。極端に遅くするとアタックがぼやけるため、確認後は原曲の速さへ戻します。
ステム分離でドラムへ集中する
「ステムスプリッター」を使うと、原曲からステムを分け、ドラムを集中して聞けます。ドラム以外を小さくした音源と、ドラムだけの音源を切り替える方法も有効です。
AI分離には音の欠けやほかのパートのにじみがあります。細かなゴーストノートやシンバルの長さは、必ず元の原曲でも確認します。
DAWへ入力して原曲と重ねる
ドラム音源へ入力したら、原曲と同時に再生し、フラムのように二重に聞こえる場所を探します。位置が合った後でベロシティ、音色、ハイハットの開き方を調整します。
完全なコピーだけが目的ではありません。演奏練習なら叩ける手順、アレンジ分析なら曲を支える役割まで理解できれば十分です。耳コピ全体の流れは「耳コピを効率化するための手順とツール」、打ち込みの基本は「DTMでドラムを打ち込む基本」も参考にしてください。
