ダイナミックレンジは、音声信号の小さい部分と大きい部分のレベル差です。静かなイントロから大きなサビへ移る曲や、弱く叩いた音と強く叩いた音の差がある演奏は、広いダイナミックレンジを持ちます。差はdBで表します。
音源と機器で意味が変わる
音源について使う場合は、演奏やミックス内の小さい音と大きい音の幅を指します。機器の仕様では、ノイズに埋もれず扱える最小レベルから、歪みやクリッピングが始まる最大レベルまでの範囲を指します。同じ言葉でも対象を確認する必要があります。
コンプレッサーとの関係
一般的なコンプレッサーは、スレッショルドを超えた大きな音を抑え、ダイナミックレンジを狭くします。その後に全体のゲインを上げると、小さい部分も聞こえやすくなり、音の密度が増したように感じられます。アタックとリリースによっては、立ち上がりや揺れ方も変わります。
広ければ良いとは限らない
強弱が大きい音楽は表情を豊かにできますが、騒がしい場所や小さなスピーカーでは静かな部分が聞こえにくくなります。反対に狭くしすぎると、サビの盛り上がりやドラムのパンチが失われます。ジャンル、再生環境、曲の意図に合う幅を選びます。
ヘッドルームとの違い
ダイナミックレンジは音の中にある強弱の幅、ヘッドルームは現在の最大レベルから上限までの余裕です。強く圧縮した音源の出力を下げればヘッドルームは作れますが、失われた強弱が自動的に戻るわけではありません。
メーターと耳で確認する
ピークとRMSの差、LUFSの変化、Loudness Rangeなどは動きを知る手掛かりになります。ただし1つの値だけで表情は決まりません。静かな部分と大きな部分を通して聞き、処理前後を同じ聴感音量で比較します。音圧調整ツールではピークとLUFSを確認できます。
