RMSはRoot Mean Squareの略で、日本語では二乗平均平方根または実効値と呼ばれます。波形の一定区間に含まれる平均的なエネルギーを表し、瞬間的な最大値を見るピークとは別に、音の持続的な強さを確認できます。
なぜ単純平均ではないのか
音声波形は0を中心に正と負へ振れるため、そのまま平均すると互いに打ち消され、強い音でも0に近づきます。RMSは値を二乗して平均し、その平方根を取ることで、波形が持つエネルギーを正負に関係なく表します。
ピークとの違い
ピークメーターは一瞬の大きな変化を捉えるため、クリッピングの防止に向いています。RMSメーターは一定時間を平均するため、短いピークには反応しにくく、音が継続してどの程度の強さを持つかを見やすくします。両方を並べると、音の立ち上がりと密度の違いをつかめます。
表示値はメーターで異なる
RMSを計算する時間幅、更新速度、基準の取り方はメーターによって異なります。同じ音源でも同じ数値になるとは限りません。正弦波のピーク値とRMS値の関係をどこへ校正するかでも表示差が出るため、比較では同じ設定を使います。
LUFSとの違い
RMSは波形のエネルギーを数学的に平均する指標です。LUFSは、耳の周波数感度を反映する補正や、用途に応じた測定区間、ゲート処理を使って聴感上のラウドネスを測ります。RMSも音量感の手掛かりになりますが、異なる音源の聴感音量をそろえる用途ではLUFSのほうが適しています。
制作での使い方
ピークが同程度でもRMSが高い音は、持続部分が強く密度のある音に見えます。コンプレッサーの前後や複数素材を比べる際は、RMSだけで良し悪しを決めず、ピーク、LUFS、ダイナミックレンジと耳を併用します。音圧調整ツールではピークとLUFSを確認できます。
