1曲からフル版、ループ版、15秒版、30秒版、60秒版、ステムを書き出すと、どれが最新か分からなくなりやすくなります。特にミックス修正が入った後、フル版だけ直して短縮版が古いまま納品される事故は、音楽ではなく管理方法の問題です。
すべての派生版が同じ基準へ戻れる「親」をひとつ決めましょう。
フル版のマスターを基準にする
音色、演奏、基本ミックスを確定するプロジェクトを親にし、派生版を作る前に版番号を付けます。短縮版側で音色を直すと、他の版へ反映されないため、共通の修正は親プロジェクトへ戻して行います。
親から書き出した最新の2mixやステムを素材として、ループ版と短縮版を作る方法も管理しやすいです。
用途ごとにプロジェクトまたは代替案を分ける
同じDAWプロジェクトの中で、フル、ループ、短縮を代替案や専用トラックへ分ける方法と、派生版ごとにプロジェクトを複製する方法があります。どちらでも、全版の書き出し範囲が同時に有効にならないようにします。
大規模な修正が多い案件では共通素材を1か所へまとめ、軽い尺編集だけならひとつのプロジェクト内にマーカーを置くと扱いやすいでしょう。
フォルダを役割で固定する
- 01_project:DAWプロジェクト
- 02_source:最新の2mix、ステム、素材
- 03_review:確認用MP3
- 04_delivery:実際に納品するファイル
- archive:旧版
納品フォルダには送るファイルだけを置きます。旧版を残す場合も別フォルダへ移し、同じ場所で選ばせないことが重要です。
名前は曲名・用途・版番号の順にする
「song_full_v03」「song_loop_v03」「song_30s_v03」のように、共通部分と用途を固定します。修正日だけで管理すると、同日に複数回書き出したときに区別できないため、連番を併用します。
ループ点やBPMなどファイル名に入りきらない情報は、一覧表へ分けます。
修正を受けたら影響する版を先に洗い出す
「スネアを小さくする」「メロディを差し替える」といった共通修正は全版へ影響します。一方、「30秒版の終わりを早くする」はその版だけです。作業前に対象を表へ書き、完了後にチェックします。
音源を差し替えたら、派生版のレンダリングをやり直し、波形や更新日時だけでなく実際に試聴します。
ループ版と短縮版は別の確認をする
ループ版はつなぎ目を数周確認し、短縮版は指定尺、編集点、終わり方を確認します。フル版の音質確認だけで済ませると、派生編集で生じたクリックや余韻切れを見落とします。
短縮方法は「15秒・30秒・60秒のBGM短縮版を作る方法」、納品前確認は「BGMを納品する前のチェックリスト」を使えます。
納品後の状態を保存する
納品したファイル、使用したプロジェクト、確認事項、依頼者からの承認内容をひとつのスナップショットとして残します。後日追加版を作るときに、どの状態から始めるべきか判断できます。
