録音したドラム、ギターの単音、シンセのフレーズ、環境音などが増えてきたら、用途ごとにまとめて自作サンプルパックにすると再利用しやすくなります。ただし、音をフォルダへ集めるだけでは、音量も余白も名前もばらばらで、制作中に選びにくい素材集になってしまいます。
大切なのは、音数を増やすことより「どの素材を、どんな条件で使えるか」がすぐ分かる状態にすることです。
最初にパックの用途と範囲を決める
「ドラム素材」では広すぎるため、「乾いたキックとスネア」「金属を叩いた効果音」「120BPMのギターループ」のようにテーマを絞ります。1回鳴らして使うワンショットと、一定の長さを繰り返すループは、別フォルダに分けると迷いません。
似た音を大量に残すより、強さや音色の違いが分かるテイクを選びます。完全な重複、失敗テイク、用途の説明ができない音は外します。
アタックと余韻を守って切り出す
ワンショットは音の立ち上がりを切らず、末尾は自然な余韻が消えるまで残します。長い無音を詰める場合も、開始位置を波形が大きくなった場所へ合わせすぎると、演奏の輪郭が欠けます。
音源を好きな範囲で切り出すツールで前後を試聴し、必要なら短いフェードを付けます。複数素材をまとめて整える場合は音声素材をまとめて整えるツールが便利です。
ループ素材は拍とつなぎ目を確認する
ループはBPMと小節数を決め、拍の頭から正確に切り出します。DAWへ同じファイルを数個並べ、つなぎ目でリズムが跳ねたり、余韻が急に切れたりしないか確認します。
空間系の余韻を含む素材は、末尾を単純に切るよりシームレスループを作るツールでつなぎ目を整えられます。BPMやキーが不明ならBPM・キーを調べるツールを入口にします。
音量は数字だけで完全に揃えない
同じ種類の素材は聞き比べやすい音量へ整えますが、弱く叩いた音と強く叩いた音のダイナミクスまで消さないようにします。ピークを0dBFSぎりぎりへ上げず、後の加工に使える余裕を残します。
同種のファイルが大量にある場合は複数音源の音量を揃えるツールを使い、最後は必ず耳で強弱の関係を確認します。
編集用はWAVを基準にする
素材として再編集するなら、非圧縮のWAVを基準にします。迷った場合は、制作環境に合わせたサンプルレート、24bitで保存しておくと扱いやすいでしょう。配布先に指定がある場合は、そのサンプルレートとビット深度へ合わせます。
試聴用にMP3を用意しても、元のWAVは残します。形式を揃えるときは音声形式を変換するツールを利用できます。
ファイル名だけで内容が分かるようにする
「audio_001」ではなく、「kick_deep_hard_01」「guitar_loop_120bpm_Am_04」のように、音の種類、特徴、強さ、BPM、キー、連番を一定の順番で入れます。記号や日本語を避ける必要がある配布先もあるため、半角英数字とアンダースコアで統一すると移動しやすくなります。
配布前に権利と内容表を確認する
自分で録音した素材でも、第三者の会話、既存曲、ソフト音源の利用規約で再配布できない音が含まれる場合があります。素材単体の再配布が許可されているか確認し、BPM、キー、形式、収録数、利用条件を書いた一覧を添えます。
完成後はパックを新しい空のプロジェクトへ読み込み、ファイル欠け、名前の重複、ループのずれがないか試します。短い素材の最終処理は「効果音や短い音素材を書き出した後の整え方」も参考にしてください。
