DAWから曲や音素材を書き出すと、先頭に長い無音が入ったり、最後に必要以上の空白が残ったりすることがあります。再生ボタンを押してもすぐ始まらない、プレイリストで次の曲まで間が空くといった原因になります。
ただし、無音に見える部分をすべて削ればよいわけではありません。音の立ち上がり、呼吸、部屋の空気、リバーブの余韻を守りながら整えます。
前後に無音が入る理由
DAWの書き出し範囲を小節の頭から設定した場合、最初の音までに空白ができます。録音素材では、録音開始から演奏までの待ち時間が含まれます。
末尾には、書き出し範囲の余りや録音停止までの空白が残ります。一方、リバーブやディレイの余韻を含めるため、意図的に長くしている場合もあります。
先頭を切りすぎるとアタックが欠ける
キック、ピアノ、ギターなどは、目立つ波形が始まる少し前から音が立ち上がっています。ぎりぎりで切るとトランジェントが弱くなり、クリックノイズが発生することもあります。
音の直前にごく短い余白を残し、短いフェードインを入れると安全です。ボーカルでは、子音や息の始まりを削らないよう注意します。
末尾は音量だけでなく余韻を聴く
波形が小さく見えても、ヘッドホンでは残響や低いノイズが聞こえることがあります。最後の音が自然に消えるまで再生し、その後の長い空白だけを削ります。
ループ素材では余韻を残すより、次の先頭へ自然につながることが優先されます。用途によって末尾の扱いを変えましょう。
無音と小さな音を区別する
自動検出では、一定以下の音量を無音候補として扱います。静かな環境音、フェードアウト、弱い演奏は無音と判定される可能性があります。
ノイズフロアが高い録音では、空白部分にも波形が残るため、検出位置が長くなることがあります。波形と試聴の両方で位置を確認します。
タダオトで前後の無音をカットする
「音源の無音部分をカットする」ツールへ音源を読み込むと、先頭と末尾の無音候補を検出し、残す範囲を波形で確認できます。曲中のブレイクや休符は削らず、前後だけを処理します。
検出方法は、余韻を長めに残す設定、自然な設定、小さなノイズまでしっかり切る設定から選べます。切り口には10ミリ秒の短いフェードが入り、クリックノイズを防ぎます。
曲と短い素材では余白の考え方が違う
- 完成曲:再生開始が不自然に遅れず、最後の余韻は残す
- ドラムや効果音:アタック直前の短い余白だけ残す
- ボーカル素材:息や子音を切らず、編集しやすい余白を残す
- 環境音:空気感が急に始まらないよう短いフェードを使う
- ループ素材:次の先頭との接続を優先する
処理後は別のプレイヤーでも確認する
DAW内では再生位置やループ範囲の影響で問題に気付かないことがあります。書き出したWAVを一般的なプレイヤーで開き、先頭、末尾、全体の長さを確認します。
複数の短い素材をまとめて無音・音量・ノイズまで整えたい場合は、関連記事「効果音や短い音素材を書き出した後の整え方」も参考にしてください。
