Mid/Side(M/S)は、ステレオ信号をMid成分と、左右の違いであるSide成分へ分けて扱う考え方・方式です。Midは左右に共通する音、Sideは左右の差から生まれる広がりを表します。中央と周辺を別々に調整できます。
MidとSideが表すもの
MidはLとRに共通する成分で、ボーカル、キック、ベースなど中央にある音が多く含まれます。SideはLとRの違いで、左右の広がり、ステレオリバーブ、ダブルトラックの差などが含まれます。M/Sに分けると、通常のL/R処理では見えにくい役割ごとの調整ができます。
モノラルとの関係
ステレオをモノラルへ合算すると、基本的にはMid成分が残り、Side成分は弱くなります。そのためSideだけへ重要な低域や主旋律を置くと、モノラル再生で曲の核が減る可能性があります。M/S処理の後は、必ずモノラルでも聴き、中心の要素が安定しているかを確認します。
EQ・コンプレッサーでの使い方
Midだけの低域を整理する、Sideの高域を控えめに整える、中央のボーカルを保ちながら周辺の広がりを調整する、といった使い方があります。ただし設定を大きく動かすと、音像が不自然になったり位相の問題を強調したりします。L/R処理で十分かを確認してから必要な範囲で使います。
ステレオ幅を広げる注意点
Sideを増やすとステレオでは広く聞こえますが、モノラルで減る成分も増えます。低域を過度に広げると、再生環境によって濁りや不安定さが出ることがあります。曲の中心に必要な要素はMidへ残し、広がりは装飾的な成分で作ると判断しやすくなります。
確認の手順
M/S処理の前後を同じ音量で比較し、ステレオ、モノラル、必要ならヘッドフォンとスピーカーで確認します。Sideだけを聴く機能があれば、不要な低域やノイズが増えていないかも確認します。完成後の試聴用ファイルを作るときは、音声形式を変換するツールを使えます。
