動画の字幕は、音声を自動で文字に変換しただけでは完成しません。誤変換を直し、話し言葉を読みやすい長さへ分け、映像のタイミングに合わせる作業が必要です。先に音声を聞き取りやすくしておくと、文字起こし精度と修正効率が上がります。
元の動画と音声を残して作業する
変換やノイズ処理を行う前に、元の動画を複製して保存します。字幕用に加工した音声は認識しやすくても、完成動画へ使う正式な音声とは限りません。
ファイル名へ撮影日、動画名、版番号を入れ、文字起こし結果と対応付けます。
動画から文字起こし用の音声を取り出す
文字起こしツールが動画へ対応していない場合は、動画から音声を取り出すツールで音声ファイルを作ります。画質は認識に関係しないため、音声だけにするとファイルを扱いやすくなります。
長い動画の一部だけ必要なら、先に動画を好きな範囲で切り出すか、音声を取り出した後で必要区間を分けます。
話し声を聞き取りやすく整える
大きなBGM、空調、一定ノイズがあると誤認識が増えます。声のノイズを減らすツールで軽く処理し、声が薄くなったり子音が欠けたりしない範囲にします。
複数人が同時に話す場面、遠い声、音楽に重なった声は、自動処理だけで正確に分けるのが難しいため、元動画を聞きながら直す前提にします。
文字起こしを実行する
音声を文字起こしするツールへ音声を読み込み、言語を確認して処理します。長い素材は、章や話題ごとに分けると失敗時のやり直しが少なく、修正箇所も探しやすくなります。
固有名詞、人名、製品名、専門用語、数字は誤変換しやすいため、候補リストを先に用意しておきます。
原音を聞きながら誤変換を直す
文章として自然に見えるだけで判断せず、必ず音声と照合します。「音が似ている別の言葉」「否定の聞き落とし」「単位や桁の間違い」は意味を大きく変えます。
話者の言い間違いを勝手に別の内容へ変えず、字幕の目的に応じて、発言どおり残すか読みやすく整えるか方針を決めます。
字幕として読める長さへ分ける
文字起こしの段落をそのまま字幕にせず、意味のまとまり、息継ぎ、画面の切り替わりで分けます。1枚に長文を詰めると、読み終わる前に次の字幕へ進みます。
助詞だけを次の字幕へ残さず、ひと目で意味を取れる単位にします。句読点の扱い、数字、英字、話者名の表記も全体で統一します。
タイムコードを映像へ合わせる
字幕は発話より大幅に早く出さず、読み終わる前に消さないようにします。前後の字幕が重ならないか、短い相づちだけが一瞬表示されていないかを確認します。
自動タイムコードは入口として使い、編集ソフトへ読み込んだ後、映像を通して微調整します。
字幕データと焼き込み動画を使い分ける
SRTなどの字幕ファイルは視聴者が表示を切り替えられ、修正もしやすい形式です。動画へ直接焼き込む字幕は確実に見せられますが、後から文字だけ差し替えにくくなります。
公開先が対応する形式、文字コード、ファイル名を確認し、完成後は最初から最後まで再生して、誤字、表示時間、画面外への見切れを確認しましょう。
