音素材を探していると、「ロイヤリティフリー」「商用利用可」「クレジット不要」といった言葉をよく見かけます。似たように見える言葉ですが、それぞれが示していることは異なります。
ここでは、BGMや効果音を使うときに押さえておきたい5つの言葉を、初めて音素材を利用する方向けに整理します。結論からいうと、どれか一つの表記だけで利用可否は判断できません。素材ごとのライセンスと利用規約を、実際の使い方に照らして確認することが必要です。
ロイヤリティフリー
ロイヤリティフリーは、一般に「利用のたびに追加の使用料(ロイヤリティ)を支払わなくてよい」という意味で使われる言葉です。無料という意味ではなく、購入やダウンロードの時点で定められた条件の範囲で利用できる素材を指すことが多いです。
たとえば、あるBGMを1回の購入で動画に使えるとしても、テレビCM、ゲームへの組み込み、複数のクライアント案件、二次配布などは別条件になっている場合があります。「ロイヤリティフリーだから何にでも使える」ではなく、「追加使用料の扱いがどうなっているか」を表す言葉だと考えると分かりやすいです。
商用利用
商用利用は、事業や収益につながる目的で使うことを指します。ただし、どこまでを商用とするかは素材サイト・制作者ごとに異なります。
広告を付けた動画、企業や店舗のSNS、商品紹介、クライアントへの納品物、アプリやゲーム、イベント会場での使用などは、商用利用として扱われる可能性があります。一方で、個人の趣味の投稿であっても、将来収益化する可能性があるなら、最初から商用可の素材を選んでおくと差し替えの手間を減らせます。
規約に「商用利用可」とあった場合も、利用できる媒体、作品数、配信地域、利用期間に制限がないかを続けて確認しましょう。
クレジット表記
クレジット表記は、素材の制作者や配布元を作品内・概要欄・エンドロールなどに記載することです。表記の要否と方法は、ライセンスによって変わります。
必要な場合は、制作者名、素材名、配布元URL、ライセンス名など、指定された項目を省かずに書きましょう。YouTubeなら概要欄、映像作品ならエンドロール、Webサイトなら利用素材のページなど、規約が指定する場所へ記載します。
クレジットが不要な素材でも、素材の出所を自分用にメモしておくことをおすすめします。公開後に問い合わせがあったときや、作品を改訂するときに役立ちます。
著作権
著作権は、創作した著作物を利用することについて、著作者に認められる権利です。BGMや効果音は音声ファイルであっても、創作性のある音楽や音源には権利が関わることがあります。
著作権があるから使えない、という意味ではありません。権利者がどの範囲で使ってよいかを示したものが利用規約やライセンスです。文化庁も、他人の著作物等を利用する場合は、原則として権利者から許諾を得る必要があると説明しています。著作権の基本と海賊版(文化庁)も参考になります。
音楽の場合は、楽曲そのもの、演奏、録音された音源など、複数の権利が関わることもあります。素材サイトから正規に配布されている音源を使う際も、必ずその素材ページの条件を読みましょう。
ライセンス
ライセンスは、権利者が利用者に対して「どのような条件なら使ってよいか」を定めた約束です。商用利用の可否、クレジット表記、改変、再配布、利用できる媒体や期間などは、このライセンスや利用規約に書かれています。
同じ「無料素材」でも、ライセンスが違えば使える範囲も変わります。ダウンロードページだけでなく、利用規約、FAQ、購入時のプラン説明、素材個別の注記まで確認しましょう。規約にない使い方をしたい場合は、配布元へ問い合わせるのが安全です。
5つの言葉をどう読み合わせるか
たとえば「ロイヤリティフリー・商用利用可・クレジット不要」という素材があったとしても、これだけで再配布やゲーム組み込みまで許可されているとは限りません。反対に、クレジット表記が必要でも、商用利用や編集が認められている素材もあります。
確認する順番はシンプルです。まず自分の用途を決め、次に素材のライセンスを読む。そして商用利用、表記、改変、再配布、規約の保存を確認します。実務でのチェック項目は「BGM・効果音素材を使う前に確認したい利用規約」で詳しく解説しています。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。利用条件は素材・配布元ごとに異なります。公開・納品前には必ず最新の利用規約を確認し、判断に迷う場合は配布元または専門家へ確認してください。
