レコーディング前に各パートの認識を再確認するために行われる作業「プリプロ」。
予算が潤沢にあればいきなりレコーディングスタジオ入って本番という力技も可能ですが、プリプロを行って各パートの認識をすり合わせてから本番に入った方が確実にクオリティが上がるので、プリプロは重要な作業だと僕は認識しています。
そんなプリプロで、ドラムをどう録るかというのが最初のハードルだと思うので、僕が使ってる機材と実践している方法についてご紹介します。
目次
プリプロ用のドラム録音をするために必要な機材
まず必要な機材を洗い出します。
ドラマーがクリックやガイド音を聴きながら叩き、それをレコーディングできればいい訳なので、最小限の装備を考えると下記の2点です。
- クリックやガイド音を鳴らすためのスマホ
- 録音用のスマホ
もしドラマーがクリック聴きながら最初から最後まで構成を間違えずに叩ききれるならガイド音も必要ないため、クリックを鳴らすアプリかなにかで十分です。録音もスマホでそこそこの音が録れますし。
ただ、個人的にはこの最小限装備は推奨しません。ドラマーがクリックだけを聴いて叩く際にいまどのあたりなのか分からなくなるケースがあり録り直しに時間がかかることが多いのと、スマホで録音した音質よりはもうちょっと良い音で録っておきたいためです。
というわけで、僕が用意したものがこちら。
- MacBook Air
- Logic Pro(DAWソフト)
- KOMPLETE AUDIO 6(オーディオインターフェイス)
- イヤホン or ヘッドホン
- TASCAM DR-40(レコーダー)
この機材を持ち込んでリハーサルスタジオに入り録音しました。それぞれの機材について一言ずつ触れて行きますね。
MacBook AirとLogic Pro
まずはDAWソフトが必要です。僕はLogic Proを使っているのでMac一択ですが、DAWソフトと持ち運べるパソコンであればこの組み合わせは何でもかまいません。
これを使って「クリックとガイド音を現場で音量調整したい」というドラマーのニーズに応えます。クリックとガイド音を混ぜてしまった音源をスマホで聴くというやり方だとこれができなくて。
ガイド音はドラマーがいまどこを叩いているのかが分かれば良いので、ギターでもベースでもピアノでコードをなぞったものでもなんでも良いと思います。
ドラマーによってはクリックの音色の好みもあるかもしれません。その辺りも事前に聞いておけると良いですね。僕はカウベルの音を準備しておきました。
KOMPLETE AUDIO 6(オーディオインターフェイス)
DAWソフトで鳴らした音をドラマーに聴かせるためにはオーディオインターフェイスが必要となります。
もちろんMacのイヤホンアウトにイヤホン挿してもいいとは思うんですが、手軽に持ち運べるオーディオインターフェイスがあれば音量調整なども現場でサクっとできていいと思います。
僕は普段持ち運びに便利なKOMPLETE AUDIO 6という小型のオーディオインターフェイスを使ってます。
イヤホン or ヘッドホン
そしてオーディオインターフェイスにイヤホンかヘッドホンをつないで、ドラマーはそこから音を聴きます。
注意点としては、音漏れがないように密封度の高いものを使った方が良いでしょう。インナーイヤー型のイヤホンが一番良いと思います。
また、作業スペースがどれくらい確保できるかわからないため、延長ケーブルは持っていきましょう。
TASCAM DR-40(レコーダー)
ここまでは「ドラマーが気持ちよく叩くための機材」でした。録音する機材は1つだけ。ポータブルタイプのレコーダーです。
僕はTASCAM DR-40というレコーダーを愛用しています。24bit/96kHzでの録音ができて音質も申し分なく、マイクのタイプをXY方式とAB方式と切り替えが可能なため環境に応じて使い分けできるところが気に入ってます。
あとはリハーサルスタジオのドラムの真正面にTASCAM DR-40を置くだけ。
マイクスタンドへの設置は、マイククリップアダプタというアイテムを使ってます。数百円という安さですし、軽くて邪魔にならないためカバンに入れっぱなしにしておけるのがいいんですよ。
ちなみに、ダイナミックマイクを2本立てて録音してみたんですが、僕のマイキングの知識ではまともな音が録れませんでした。結果TASCAM DR-40の音だけを生かしてプリプロを進めています。
最後に
プリプロを進めるにあたり、まずドラムを録りたいと思うものですが、そのドラム録りが最もハードル高い気がします。
今回の装備が揃えば、リハーサルスタジオで手軽に録りにいけると思うので、ぜひお試しください。