EDMを作る上で必ず覚えておきたいテクニックの一つ「ダッキング」。
ダッキング効果を得るためには、サイドチェインをかけたコンプレッサーで作る方法と、ダッキング用のプラグインを使う方法の2通りがありまして、今回はその両方のやり方をご紹介します。
ダッキングとは
まずそもそもダッキングとは何か解説しておきます。
EDMではキックが分厚めに鳴っていることが多く、低域をかなり広くカバーしています。
ロックなどではベースはキックに合わせて弾くことが多いですけども、キックに合わせてベースを鳴らすと音圧がありすぎてかえって邪魔になってしまうわけですね。
そこで、キックが鳴っている間はベースやシンセのウワモノなどを鳴らさないようにするのが「ダッキング」というテクニックです。
キックが鳴っている間の音量がグッと下がることで、ベースやシンセのウワモノがグワングワンうねり出すんですね。これがEDM特有のグルーブを生み出してるんです。
ダッキング効果を文章で伝えるのは難しいので、詳しくはこちらの解説動画をご覧ください。
コンプレッサーにサイドチェインをかけて作るダッキング
ダッキング効果を生み出すために使われるエフェクトは、どのDAWにも入っている「コンプレッサー」です。
僕はLogicユーザーなので、まずはLogic純正のコンプレッサーで解説しますね。他のコンプレッサーでも考え方は同じですので、パラメーターを同じように設定してみてください。
コンプレッサーをダッキングさせたいトラックにインサートしたら、「サイドチェイン」にドラムトラックのキックを指定します。
まずATTACK(アタック)とRELEASE(リリース)を最小値にしましょう。低い値にしておけばダッキング効果は得られますが、効果をわかりやすく体感するために、まずは極端にゼロとしておいてあとで調整しましょう。
RATIO(レシオ)は数値を高めるとかかり方が強くなります。一旦5:1〜6:1くらいで試すことが多いですが、最初から10:1以上に上げておいても構いません。
コンプレッサーによってはこのパラメーターがないかもしれませんが、KNEE(ニー)は効果がわかりにくいかもしれません。適当な数値で大丈夫です。
MAKE UPはゲインです。こちらもコンプレッサーによってはないものもあります。一旦適当に設定しておいて最後に音量調整してください。
ここまで設定が済んだら、このコンプレッサーをインサートしたトラックとサイドチェインのトリガーとなるキックを鳴らしながらTHRESHOLD(スレッショルド)を調整してみてください。これでダッキングがかかってることがわかると思います。
最後に楽曲を再生させながらそれぞれのパラメーターを調整しましょう。
プラグインを使って作るダッキング
サイドチェインをかけたコンプレッサーを使ってダッキングさせる方法が一般的ではありますが、楽曲を作っていくとサイドチェインをかけるのがめんどくさくなってきたりします。
トリガーとなるキックを用意しないとダッキングしてくれないので、ダッキングさせたいトラックを制作する前にキックを用意しておく必要がありますし、ドラムトラックを複数立ち上げてたりするとどれをサイドチェインのトリガーにしたらいいのか迷うこともあります。
そんな時のために、ダッキング効果を得られるプラグインがありますので、これを導入するのも一つの方法だと思います。
こちらがEDMの楽曲制作においてダッキング効果を生み出すことのできるプラグインの一例です。
- LFOtool
- VolumeShaper
- OneKnob Pumper
- Kickstart
- Duck
- coreFX VolumeFormer
ざっくり調べたところ概ねこのあたりかなと思っていて、いずれは全てのプラグインを購入してそれぞれのプラグインの比較などもしてみたいと思います。
僕が持っているのは「Kickstart」というプラグインで、手軽なことと格安なことが売りです。この記事執筆時点で1,500円ほどですし、試しに買ってみても損のない金額かと思います。
【追記】coreFX VolumeFormer買いました
後日、「coreFX VolumeFormer」を購入しました。
Kickstartでは波形のパターンを選べるだけでしたが、coreFX VolumeFormerは自在にカーブを描くことができて、かなり細かくカスタマイズできて気に入ってます。